メディカルジャパン東京の視察をしてきました

先週10月11日~10月13日まで幕張メッセで開催された第6回メディカルジャパン東京の視察をしてきました。

こちらは医療・介護関連領域でサービスを提供する600社以上が出展する大規模な展示会です。今回、医療・介護領域で働く方々のメンタルケアや働き方改革の動向、またそれを支える人事の方のニーズ等に関心があって参加しました。

従業員のメンタルケアに関するサービスには特に目新しい動きは感じませんでしたが、様々なサービスを目にする中で改めて、人事の方の業務がいかに多岐に渡り、大変なものであるのかも僅かながら感じることができました。

雇用、給与、法律関連のこと、人材マネジメントや労使関係、人材の育成、さらに最近はエンゲージメント関連の施策も求められていると聞きます。近年ますますメンタルヘルス関連の様々な問題も増加している中で、企業における人事業務の重要さや社内で求められる事の大きさを感じ、本当に大変なお仕事だと感じました。

展示会では大手企業も多く出展していたこともあり、人事業務負担を軽減するためのデジタル技術を活用した仕組みに触れることができました。テクノロジーの貢献により、業務が効率的に行える事の素晴らしさを感じるのと同時に、テクノロジーが有効に機能する面と、そうではない面もあるように感じられました。

特に私たちが関心をもつメンタル面に関しては、ストレスチェックや従業員サーベイ等の良い仕組みがありますが、これらがどこまで従業員の皆さんの声を本当に聴く事ができるかが大切なポイントだと感じます。従業員のメンタルケアやエンゲージメントの状況を知るために優秀で効率的なツールがあったとしても、本当のことを言ってもらえないと有効ではありません。

そしてメンタルに関しては実は、本当の事が「言えない」こと、「相談できない」現象があること自体が本質的な問題ではないかなと思っています。

たとえば今回の展示会でも、デジタル技術を活用して従業員のはたらき方や離職等のリスクを評価・管理できるというサービスも紹介されていました。こうしたシステムも状況によっては有効に機能するのでしょう。

ただ、はたらく人のメンタルケアやエンゲージメントに良い影響をもたらしたい時に、「評価・管理」という仕組みといっしょに行うことは、果たして有効なのだろうかと疑問も感じました。そもそも「言えない」「相談できない」ことがメンタルの困難の背景にあるとき、さらに「評価・管理」されるかもしれないと思うと、どうしても本当のことを言えないし困っていても相談ができない。その結果、周りの人もどうにもならない状況になってしまうまで気づけない。

でも逆に、こうした「言えない」「相談できない」ことが起きていることに誰かが気づくことができたら、そこから何か状況に変化をもたらすことができる可能性が広がります。そのためには、いかにして言えないことが「言える」仕組みを作ることができるのかがとても大切だと思いました。

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