an artist’s way 002

何かを創ること、終えること 

先日、ある友人と話をしているときに、音楽の話からお互いラジオを好んで聴くということがわかり、
J-WAVEの話になり、毎年クリスマスの頃に放送される年に1回だけの番組、沢木耕太郎さんの‘MIDNIGHT EXPRESS’の話題になりました。

3時間の番組で、沢木さんの語り、視聴者のメールの紹介、合間に音楽も入るのですが、全てがよくて聴き入ってしまい、3時間あっという間です。昨年はリアルタイムで聴いて、翌日、radikoのタイムフリーでもう一度聴きました。

そのとき印象に残ったことが私の当時のジャーナル(夢とかいろいろ書いている雑記)に記録されていました。読み返すとこれまた興味深いのです。

沢木さんのお話を聴いていて、「袖ふれあうも多生の縁」って言葉が浮かんだ。

沢木さんが書かれたものを読んだ人が、「外苑でやる気のない高校生たちが走っているのとのすれ違った」というくだりで、「その高校生たちは僕たちだったかも」とメールを投稿してきたり、最新作の「天路の旅人」(西川一三さんという方の人生を描いたノンフィクション)の主人公がかつて住んでいた盛岡の人が、沢木さんの書かれた場面についてコメントされてきたり。おもしろいです。

沢木耕太郎さんの言葉:

「最後の一行を書く」「何でもいいから、最後の一行にたどり着く。そこから始まる」

「何でもいいから何か創り終わればそれを対象化してみることができる。自分の力の足りなさを感じるかもしれないけれど、できあがったものに対する愛おしさがわいてくると思う」

「何かを創る、そして最後の1行を書く。そのことの幸せを味わってほしい」

最初に働いた職場で仲良くしてくださった先輩が沢木さんの大ファンでした。その人は仕事を辞めて、世界一周の旅に出て、旅先から絵ハガキなどを送ってくれました。ネパールで出会った日本人男性と結婚する、彼の地元の〇〇県で暮らすつもり、と聞いたのが最後で、私もあちこち引っ越ししている内に連絡が取れなくなりました。沢木耕太郎さんというとその先輩を思い出します。そして“MIDNIGHT EXPRESS”を最初に聴いてみようと思ったのも、先輩のキラキラした目を思い出したからでした。最近、この番組が実は26年も続いていると知りました。彼女もきっと毎年どこかで聴いているのだろうな。