WHO(World Health Organization; 世界保健機関)主催のワークショップにて「経験専門家」について話をしました

こんにちは。下平です。12月14日(木)の午前中に、WHO主催のワークショップにて、「経験専門家」と「ところざわ経験専門家養成講座」についてお話させていただく機会をいただきました。

このワークショップは、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシアそれぞれの国の保健省でメンタルヘルスの制度設計や必要な改善のためのプラン策定を担う専門職の方々を対象に、12月11日から14日まで行われたものです。参加者の方々は、WHOの担当者と共に、日本の地域精神保健を視察する目的で、所沢市にも足を運ばれました。

ワークショップのテーマは、「地域を基盤としたメンタルヘルスにおけるリーダーシップとキャパシティ・ビルディング」ということでした。「キャパシティ・ビルディング(Capacity building)」とは、組織とか国(行政)が目的達成のために必要な機能やシステムを構築し向上させていくことを指します。

14日の最初のセッション(ベトナムと日本の愛媛県愛南町の取り組みのご発表)から参加させていただきました(愛南町の取り組みはすごいのでまた別途ご紹介したいです)。全体を通して、印象に残ったのは“My Journey”というキーワードでした。司会進行を務められたWHOの担当者の方からも参加者の方々からも度々出されたそのキーワード。ふと思い出したのは、「何が私をここに連れてきたのか?」という問いです。かつて何度か参加させていただいた、IPS(Intentional Peer Support;意図的ピアサポート)のワークショップでは、チェックインのときに、「呼ばれたい名前」と共に、「何が私をここに連れてきたのか」を話すのでした。フィリンピンからいらしたある方は、ご自身はもともとメンタルヘルスが専門ではなかったのに、なぜメンタルヘルスに関わることになったのか(そしてここにいるのか)を話されていました。このワークショップでは、自分とは離れた何かについて語るのではなく、自分の経験上にある(人生という旅の途上で経験している)ことを、つまりメンタルヘルスの課題を「自分ごと」として考えたり、話したりすることが大切にされているように感じられました。

私の話の内容については資料をぜひご覧ください。そのセッションでは、最初に前述のフィリピンの方のプレゼンがあり、次に所沢市職員の方、次に私、その次に経験専門家の方々がお二人続けてプレゼンされました。お一人は所沢市職員(ピアスタッフ)、もうお一人は民間企業にお勤めの方で、ご自身のご経験を基に「お悩みハンドブック」https://compass.graffer.jp/handbook/landingというシステムを創られた方です。参加者のみなさんにとって、お二人のお話のインパクトは大きかったのではないかと思います。私自身うつ病の経験者であることに触れ、先のセッションで愛南町の取り組みについてプレゼンされた方の言葉を引用して、誰もが精神疾患にかかる可能性があること、「私と彼ら」ではなく、「私たち」という視点がリーダーシップとキャパシティ・ビルディングに大事なのではないかということをコメントさせてもらいました。質疑応答の最後に前述のフィリピンの方が「私たち誰もが当事者であり経験専門家です」とコメントされました。そのコメントそのものと、その方が、日本語で、「当事者(Tojisha)」「経験専門家(Keiken-senmonka)」と言ってくださったのが心に響きました。