【経験専門家ジャーナル2026年春号】私から見た経験専門家養成講座について 西津大紀

~他者と自分を発見する場所~

西津大紀

経験専門家ジャーナル 2026年春号 私から見た経験専門家養成講座について

 ところざわ経験専門家養成講座4期修了生の西津大紀と申します。皆さんにはいつも「にっしー」と呼んでいただいています。

 平日日中は作業所に通所しており、その合間、さまざまな節目節目に講演会などで話をさせていただいたり、また経験専門家養成講座でファシリテーターを務めさせていただいたりしております。

 経験専門家養成講座は、TEBET4期に参加したとき(2022年)、ファシリテーター研修としてE-TEBET1期に参加したとき(2025年)、KiEBETでファシリテーターとして参加したとき(2025年)と、3回体験しているのですが、その都度違った相貌を見せられることになりました。

 初回は自分の思い上がりを痛感し、2回目で世の中には素敵な人がたくさんいる事を知り、3回目にはチームで協力して作り上げる喜びを学びました。

 「語り聴く」というのは人と関わる上で最も身近で、そしてとても難しい行為です。そこにその人の人間性の多くが現れると思います。それを学ぶ中で自分の現在地を知り、そこから努力をして少しでも人からも自分からも認められるような成長をする。そういった過程で僕は失っていた自信を大きく取り戻しましたし、最も明確なリカバリーを実感しました。

 「語り聴く」を経験専門家養成講座で学ぶ中で、僕が一番体得出来た事は「他者を尊重する」という感覚でした。他者を批判中傷しない、安心安全な場に身を置く経験は、もちろん自分が攻撃されない安心感もありますが、それ以上に「他者を尊重する」という事は「自分を尊重する」に直結する思いだと気付かせてくれました。参加者それぞれがお互いを大切にする場に居ると、心に平穏と人間を信頼する気持ちが芽生えてきます。ファシリテーターとして臨んだときも、この経験専門家養成講座独特の空気感を醸成出来るように注力しました。

 心の平穏を感じる場面ばかりではなく、講座で参加者の困難で壮絶な経験を聴く中で、心が激しく揺さぶられ涙する事もありましたが、それだけ率直に感情を表せたのも、寛容で人を許容する雰囲気が場にあったからだと振り返ります。

 他者の思いを認め、また自分の思いを受け止めてもらう。人の根源的な喜びがそこにあると思います。経験専門家養成講座を通じて得ることの出来た成長と回復の実感、それは信頼し信頼され主体的に自発的に考え行動する場があったからこそのものだと思っています。そういう場に身を置きたい、人にそういう場を用意する事が出来たなら、という発想を持てたことが大きな学びでした。

西津大紀 

Daiki Nishidu

作業所に通所する傍ら、ピアサポートにとても関心を持ち、それを実践したいと考えています。人に前向きな影響を与えたい、一緒に輝きたいと強く願って生活しています。

それは僕自身が人に支えられ、助けられて生きてきたから。本当に辛かった過去がありながら、今幸せに生きていられるのは人に影響を受け変わってこられたからだと考えています。ポジティブな変化のきっかけを作れる人間でありたいと思っています。