窓のある小さな部屋 vol.1
観られなかった映画ですが
週に一度、夕刊に掲載される新聞の映画欄を楽しみにしています。
映画館で観ることは叶わなかったのですが、昨年公開されたイギリス・ドイツ・チリの合作映画を紹介します。
「スペンサー ダイアナの決意」。あくまで寓話として、主人公が王室を去る決意をするまでの3日間が描かれています。いま思えば映画館で観るべきでした。公開の時期にその余裕がなかったんですね(笑)。
この映画をここでお伝えしたくなった理由は、新聞評が印象に残っているためです。「(主人公の)行動は着る物まで定められ、ぐずるダイアナをせかす侍従たちは決して逆らわないが、ダイアナが従うまでその場を動かない。一挙手一投足が見張られ、しかも筒抜け。」(2022年10月4日毎日新聞夕刊)
これに似たディスコミュニケーションは、今もあちこちで生じていることでしょう。暴力の形ではなくても、病院や施設で。ハラスメントとして表に出なくても、職場や家庭で。そしてそれによって感じられる孤独が、多くのひとを蝕んでいるのでは。
いいえ私たちは、そうではないコミュニケーションのかたちを探したい。それはきっとあって、しかも「どこでも」可能なはず、そう信じています。
▶「スペンサー ダイアナの決意」 公式サイト https://spencer-movie.com/